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年末年始休診のお知らせ

デンタルクリニック別府の年末年始の休診日は12/29(金)~1/4(木)となります。年始の診療は1/5(金)9:00からです。
みなさま、よいお年をお迎えください。
尚、救急の際はこちらを受診されてください。http://www.fda8020.or.jp/public/holiday/

齲蝕・歯周病とそれに係わる怖い病気

 歯科では二大疾患と呼ばれている病気があります。齲蝕と歯周病です。これらの病気は口腔内の細菌が原因です。歯は体の中心部にある骨の内部から体の外へと貫通した組織です。そのため細菌は、歯やその周囲の組織が破壊されるとそこから体の深部へと容易に侵入し、菌血症を引起すこともあります。菌血症とは血液中に細菌が存在する状態をいいます。通常は一過性のもので心配する事はありませんが、血流に乗って細菌が全身を巡るため別の疾患を引起す事があります。その1つが、欧米では「死を呼ぶ喉の痛み」と呼ばれるレミエール症候群です。衛生状態の悪い口腔内が原因で生じることがあります。他には、肝膿瘍、SPE(敗血症性塞栓症)及び胸膜炎や膿胸を発症したりします。又、血管内に入った細菌は血管そのものにも問題を発生させ、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、バージャー病などの進行と深く係わっております。糖尿病との関係は古くから言われており、以前そのことについて書かせて頂きました。
 これらの病気は非常に稀な疾患ではありますが、一旦発病してしまうと生命やその後の生活にも支障を及ぼしかねません。これらの発症リスクを少しでも減少させるために、歯科医師や歯科衛生士による管理は必要なことです。

レミエール症候群:菌血症による感染性血栓性頚静脈炎である疾患群のことで、肺塞栓症や肺膿瘍、脳膿瘍など多臓器の膿瘍を合併する事もある。

ご存知ですか?セラミック

  プレゼンテーション1
コンピューターの普及発展に伴い、CAD/CAMによる硬い物質の成型も可能になってまいりました。おかげで金属の代わりに非常に硬いセラミックを治療に使うが出来るようになり、従来金属を使わなければならなかった修復治療もセラミックのみで治療を行うことが可能となりました。また、セラミックの発達に伴い歯科治療で使うことができる種類も増えました。しかし、その特性を熟知しその使い方を検討しなければなりません。
現在、当院で使用しているセラミックは、二珪酸リチウムガラスセラミック、ジルコニア、アルミナの3種類です。基本的に二珪酸リチウムガラスとジルコニアは、成型した後に色を塗って完成とします。
ジルコニアは、透明感のない色調ですが、金属に匹敵する程の強度があります。私は、臼歯部にお勧めをしています。ブリッジにも使用することができるため、非常に用途が豊富な材料です。二珪酸リチウムガラスセラミックは強度的にジルコニアの半分以下ですが、素材そのものに少し透明感があります。ですから、小臼歯にお勧めしますが、場合によっては前歯にも使用できます。
アルミナは、色調の異なるセラミック粉末を専用の溶液を使って層状に歯を作製していきます。そのため自然な歯のように作ることができますし、その為、目立つ上顎前歯の部分にお勧めしております。アルミナと二珪酸リチウムガラスセラミックは、強度的な理由で長いブリッジ(3本以上)には使用できません。また、前歯の咬み合わせによっては、ブリッジに使用できない場合もあります。

糖尿病と歯周病について

 糖尿病だから歯周病が悪化するのか?歯周病の悪化が糖尿病の悪化に関係するのか?かねてからの疑問でした。先週末に地域医療に貢献されている糖尿病専門医のお話を伺い非常に解りやすく勉強になりました。糖尿病と歯周治療の重要性を紹介させて頂きます。
 糖尿病とは、全身の細胞の栄養素である糖を血液が運んでいますが、この血液中の糖が細胞内に取り込まれず血液中に過剰に残った状態を糖尿病といいます。血液中の糖を細胞内に摂り込むために必要なものがインスリンです。しかし、このインスリンがあっても細胞膜に原因があって細胞が糖を摂り込まないことがあります。これをインスリン抵抗性と言います。このインスリン抵抗性を高める原因の1つが炎症です。歯周炎(病)があるとインスリン抵抗性が高くなり、血液中の糖を細胞が摂り込まなくなり、細胞が飢餓状態に陥ります。また、歯周炎による味覚障害などにより塩分摂取量が増え糖尿病の悪化などにつながります。更に糖尿病の悪化により、歯周組織のうっ血、免疫力低下、神経障害による唾液分泌の減少などが生じ歯周炎が悪化します。糖尿病と歯周炎は相互に悪化の原因になっています。Ⅱ型糖尿病の患者さんでは、歯周炎の治療をすることによりHbA1cの値を0.4%抑制することができるそうです。糖尿病薬でHbA1cは0.4~1.0%減少するそうです。このことから日頃からの歯周炎治療と定期的な検診が糖尿病の改善にも役立つことが言えるでしょう。

衛生観念の無かった時代

p=158最近、インプラントや歯周治療に伴う外科処置が一般的に行われるようになり、滅菌消毒が厳しく問われる時代になりました。しかし、まだ日本が貧しかった頃、物不足のためか予防接種の使いまわしや歯科でも材料の使いまわしが当たり前でした。今のように消毒に関して無頓着だったためか、歯科でも使用する綿花を滅菌された缶から取り出す時に一度ヒトの口の中に入れたピンセットを使ったりしているところもありました。幼少の頃、汚いなと感じたのは私だけでしょうか。ただあの頃でも、バイキングなどで大皿料理を自分の直箸で取るようなことは許されませんでした。必ず取り箸が用意されていました。その頃の記憶が強烈に残っています。ですから、診察時の基本セットの中にピンセットを2本用意し、患者様の口腔用と綿花など共通のものに使用するピンセットを分けています。もちろん、この2本のピンセットは置く場所も違います。1本は治療用のトレーの上に、そしてもう1本は専用の器具立に配置しています。他の材料も可能な限り1回使用したら廃棄しています。手間も費用もかかりますが、自己満足のためかもしれません。

院長からのメッセージ

かぎ括弧内は、成書より原文のまま抜き出しましたので敬称は付けておりません。でき得る限り、読んで頂くために、1テーマあたり500文字以内としたいと考えています。参考とした成書はでき得る限り公表致します。興味がありましたら読んでみて下さい。また、私見につきましては、題の横に書いております。

病巣感染(びょうそうかんせん)

細菌感染による慢性炎症部から離れた部分に様々な症状を惹き起こす病気のことを言います。発生に関しては、細菌、アレルギー、神経による3つの説があります。例えば、歯周病も原因と成り得ます。虫歯(齲蝕:これも歯に対する細菌感染です)により神経に細菌が侵入してしまって歯の根の先から細菌が溢れ出して顎の骨の中に病気を作った場合も原因と成ります。この原因を治療する事により、離れた場所に発生した病気も治癒する事があります。掌蹠膿疱症のところで少しお話しましたが、原因と考えられる歯の根っこの治療を始めると徐々に手のひらと踵の掌蹠膿疱症が改善し始め、歯の治療が終了するとほぼ同時に消失した経験があります。病巣感染の原因が全て口腔内に存在するわけではありません。しかし、考えられる原因を一つ一つ除去していくべきでしょう。それでも治癒しない場合もありますので、同時に専門医への受診も重要な事です。

口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)

一般に原因不明の口腔粘膜の疾患です。両側の口腔粘膜に発症することが多く、歯科用金属との関連が疑われている病気でもあります。見た目は、頬や歯肉、舌、上顎の粘膜に幅1~2㎜程度の乳白色の細かい線状の病変です。自覚症状としては、痛みが最も多く、刺激物や熱いものが食べることができない、出血、不快感、味覚異常、灼熱感など多様です。非常に難治性(治すことが困難)の粘膜疾患で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。しかし、稀な疾患ではありません。注意深く診察していると、日常臨床の中で比較的良く目にする疾患でもあります。ただ、問題となるのは、長期経過中に、癌を併発する可能性が否定できないことでしょう。注意深い観察と適切な対処が必要な疾患でしょう。金属アレルギーが強く疑われた扁平苔癬の患者さんを治療いたしました。幸いなことに原因金属の確認ができ、原因金属を除去し、原因金属が含まれていない材料で治療しました。その後、症状も徐々に軽くなり、悪化までの期間も長くなりました。約2年半後に最後に来院されましたが、ほとんど消失し、現在は来院されておりません。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

歯科ではあまり聞きなれない疾患ですが、皮膚科領域では、歯科用金属や虫歯・歯周病などの感染症(病巣感染)との関連について議論されてきたようです。原因が全て解明されているわけではありません。どのような病気かというと、手掌や足底に多数の水疱のようなもの(膿疱)が多数出現し、かさぶた(痂皮)を生じて表皮がはげ落ちてきます。口腔から離れた部位に症状が出現するために、なかなか原因を見つけるが出来ません。症状はまるで水虫のようで、あまり人に見られたくない疾患です。周期的に良くなったり悪くなったりを繰り返します。更に様々な合併症を惹き起こす事もあるようです。喫煙(受動喫煙を含む)も原因になることから、男性に多い疾患とされてきました。私も金属が原因ではなかったのですが治療した経験があります。幸いにもその時は、症状の改善消失を見る事ができました。歯科で治療の対象となることは、原因金属を探しそれの除去および感染源を治療することです。歯科領域で考えられる原因を治療するとともに、皮膚科の専門医に診察してもらうことも治療として非常に重要です。

歯科治療における金属の毒性について

歯科では、治療に多くの金属を使用しております。金属は生物の生存に必要不可欠です。しかし、体内への取り込みや蓄積などにより人体に害をもたらすことも知られています。金属の使用に関しては、30年以上前からその問題点が指摘されてきました。自然界で金属はイオンや化合物として存在しています。その形態が金属にとって最も安定した状態だからです。それを不安定な形で取り出し、合金として治療に用いています。ですから、金属が溶出し周囲粘膜に黒く沈着し、見た目にも悪い金属タトゥを生じます。また金属アレルギーや歯根破折の原因ともなる可能性があります。また、金属は掌蹠膿疱症や扁平苔癬など皮膚粘膜疾患の原因の一つでもあります。金やチタンでもアレルギーの報告はあります。発症した場合、原因となる金属を確認し原因金属を全て除去することが必要です。予防するために、一番良い事は金属を使用しないことでしょう。次に同一メーカーの同一製品で治療を行い、適切な時期に再治療を行う。さらに口腔清掃を適切に行い、細菌産生物質による金属劣化を防ぐ事でしょう。