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衛生観念の無かった時代

p=158最近、インプラントや歯周治療に伴う外科処置が一般的に行われるようになり、滅菌消毒が厳しく問われる時代になりました。しかし、まだ日本が貧しかった頃、物不足のためか予防接種の使いまわしや歯科でも材料の使いまわしが当たり前でした。今のように消毒に関して無頓着だったためか、歯科でも使用する綿花を滅菌された缶から取り出す時に一度ヒトの口の中に入れたピンセットを使ったりしているところもありました。幼少の頃、汚いなと感じたのは私だけでしょうか。ただあの頃でも、バイキングなどで大皿料理を自分の直箸で取るようなことは許されませんでした。必ず取り箸が用意されていました。その頃の記憶が強烈に残っています。ですから、診察時の基本セットの中にピンセットを2本用意し、患者様の口腔用と綿花など共通のものに使用するピンセットを分けています。もちろん、この2本のピンセットは置く場所も違います。1本は治療用のトレーの上に、そしてもう1本は専用の器具立に配置しています。他の材料も可能な限り1回使用したら廃棄しています。手間も費用もかかりますが、自己満足のためかもしれません。

院長からのメッセージ

かぎ括弧内は、成書より原文のまま抜き出しましたので敬称は付けておりません。でき得る限り、読んで頂くために、1テーマあたり500文字以内としたいと考えています。参考とした成書はでき得る限り公表致します。興味がありましたら読んでみて下さい。また、私見につきましては、題の横に書いております。

歯科治療における金属の毒性について

歯科では、治療に多くの金属を使用しております。金属は生物の生存に必要不可欠です。しかし、体内への取り込みや蓄積などにより人体に害をもたらすことも知られています。金属の使用に関しては、30年以上前からその問題点が指摘されてきました。自然界で金属はイオンや化合物として存在しています。その形態が金属にとって最も安定した状態だからです。それを不安定な形で取り出し、合金として治療に用いています。ですから、金属が溶出し周囲粘膜に黒く沈着し、見た目にも悪い金属タトゥを生じます。また金属アレルギーや歯根破折の原因ともなる可能性があります。また、金属は掌蹠膿疱症や扁平苔癬など皮膚粘膜疾患の原因の一つでもあります。金やチタンでもアレルギーの報告はあります。発症した場合、原因となる金属を確認し原因金属を全て除去することが必要です。予防するために、一番良い事は金属を使用しないことでしょう。次に同一メーカーの同一製品で治療を行い、適切な時期に再治療を行う。さらに口腔清掃を適切に行い、細菌産生物質による金属劣化を防ぐ事でしょう。

医療行為の不確実性(私見)

日常の臨床で、望んだ結果が必ずしも得られるとは限りません。歯科医療の基礎を学んだ師匠から「医学は科学であるべきだが、科学ではない」と教えられました。それは、同じ手順で行えば常に同じ結果が得られる事が科学であるからです。医学の場合、同一治療法あるいは薬剤の効果に対して、有効、無効、有害など様々な結果を示した論文が存在します。結果は矛盾していますけど、それぞれ研究者らが結論に対し論理的な考えを示し、どれも誤っているとはいえないのです。これが、歯科医療の現実です。しかし、さいころの目の確立と同じように振る回数を増やせば理論値の6分の1に近づくことと同様に、より多くの研究者の考え方を学ぶ事により真理に近づくことはできると信じています。日常臨床で、望む結果を必ず得る事はできませんが、少しでも多く得るための方法はあるのではないかと考えています。

*「小松秀樹著 医療の限界 新潮新書」参考になればと思います。

インフォームド・コンセント

初めに。
インフォームドコンセント。医師は必ず、病状を説明して、どういう処置をするかを説明し、同意を得た上で治療をすることを意味します。しかし、いくら説明されても良く解らないことがありませんか?インフォームドコンセントにはその先があったのです。「水野肇著 インフォームドコンセント 中公新書」の中に、「あらゆる患者にわからせるように説明するということは、医師にとっても高度の言語技術を必要とする。一方、患者のほうも、医学知識をある程度持っていることが、必要条件になるのではないか・・・。」。さらに、「医学について何も知らない患者と、良く知っている患者では、当然のこととして差がでてくる。よりよく医学知識を持っているほうが、自己管理をするにも便利だし、治療予後もいいということにならざるを得ない。それに、いくらインフォームド・コンセントといっても、何もわからない人々に医師がいくらわからせようと努力しても限度がある。」とも書かれています。このある程度の医学知識とはどの程度でしょうか?適切な医学知識を如何にして得れば良いのでしょうか。このホームページが、医学知識を得るために皆様の助けになれば幸いです。